連載 医者ときどき看護師・11
神さま,仏さま,患者さま……?
平林 大輔
1
1(社)地域医療振興協会・東京北社会保険病院
pp.1038
発行日 2008年11月10日
Published Date 2008/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101358
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私のいる病院にも看護学生が実習にやってくる。直接関わることは残念ながらほとんどないのだが,ナース・ステーションで学生担当の看護師と話をしている場面などには時折遭遇する。そんなときは,傍らでカルテを書きながら,彼ら彼女らの会話を何ともなしに聞いていたりする。曰く,「本日の○○さまのバイタルは……でした」「今日は△△さまのご家族がいらしていて,一緒にお話しさせていただきました」などなど……。非常によく教育されているなと感心する反面,どうしても違和感を覚えてしまう部分がある。「○○さま」「患者さま」という呼称だ。
私が看護学生の頃には「患者さま」という呼び名は耳にしたことがなかった。少なくとも,一般的に使われ出したのはここ10年くらいの間だろう。一時期に比べてやや減少した感はあるが,それでもやってくる看護学生のほぼ100%が「患者さま」と口にするところをみると,少なくとも教育現場ではしっかりと定着しているようだ。
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