研究報告
医療関連で刑事処罰を受けた医療従事者の職場復帰についての看護師の認識
奥津 康祐
1
,
河合 格爾
1
,
中島 範宏
1
,
吉田 謙一
1
1東京大学大学院医学系研究科法医学教室
pp.450-454
発行日 2009年6月10日
Published Date 2009/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101483
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近年,看護師は刑事処罰を比較的身近な問題として認識してきていると思われる。そこで今回,刑事処罰後の職業復帰について看護師の認識の特性を明らかにするべく,看護師・医師・弁護士にアンケートを実施した(配布数・回収数は,各1985枚・284名,2135枚・223名,不特定・38名)。有罪判決を受けた医療従事者が職業を続けるべきか三択で回答する問では,看護師群は他2群と異なる選択パターンを示し,「何であれ廃業すべき」の選択率は15.9%と,医師群(1.9%)・弁護士群(5.6%)を上回った。過誤事例の看護師の刑事責任を尋ねる問では,有罪選択率で看護師群(89.4%)は医師群(78.5%)を上回った。看護師は被処罰者に対して医師より厳しい見方をするようである。また,自由記述から事故当事者へのサポートが弱い状況も窺われた。正しい事故分析方法の指導・トレーニングや事故当事者のサポート体制強化が求められる。
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