連載 スクラブナース4年生・48
―ドミニカ共和国②―仲間を嫌いになった旅
鈴木 美穂
pp.373
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101466
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この旅は私にとっていわばアメリカ国民との初めての修学旅行とでも言えるものだった。しかしアメリカ国民といっても,アメリカ市民権をもっているというだけで人種も出身国もさまざまであり,たいていの人が出身国とアメリカ両方のパスポートを所持している。日本人は私ひとり。つまり,私と他の仲間とは集団生活の中で気にするところが違ったのだ。
出発前のオリエンテーションで,シャワーはあるがお湯は出ないとか,A型肝炎の予防接種は必須だとか,マラリアの心配はないが蚊は多いのでDEET濃度の高い虫除けを持参すること,などと脅かされたので,野営キャンプのつもりで日本での地震被災地医療ボランティアに参加したときを思い出しながら荷造りをしていった。しかし,まわりは普通の荷造りだった。
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