特集 eラーニングで看護の質をどう確保するか
早稲田大学人間科学学術院eスクールから見えてきたもの―eラーニングの現在とこれから
野嶋 栄一郎
1
1早稲田大学人間科学学術院
pp.173-179
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101425
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はじめに
20世紀末から21世紀初頭にかけて21世紀を見通すIT革命と教育改革への施策が急展開し,国民全体の情報リテラシー教育,情報通信社会を担う創造的人材の育成が国家の急務となった。この影響を受けて情報通信技術(Information and Communication Technology)を活用した遠隔教育の役割が大きく重視されるようになった。
インターネットを使った教育で大学学部卒業資格124単位のうち60単位まで認められるようになり,これは2001(平成13)年度から実現されている。また,通信制の大学では,124単位すべてをWeb上で学習することが可能になった。いわゆるバーチャル・ユニバーシティが日本でも動き出す法的整備が整いだしたといえる。
アメリカでは4年制公立大学の7~8割の大学が遠隔教育の機能を有している。カナダ,オーストラリア,ヨーロッパでも続々とこのような大学が出現している。企業での展開は大学より一足速く,企業内教育はもちろん,Web教育を提供する企業も現れている。初等中等教育でも,学校にインターネットが接続され,教育の中での利用が急速に展開し始めている。情報通信技術を利用した教育や学習,いわゆる「eラーニング」が世界中で火を噴き始めているのである。
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