特集 新卒者の採用活動とフォロー
ナースサポートセンター設立の経緯とリクルーティング戦略
宮城 領子
1
,
陣田 泰子
1
1聖マリアンナ医科大学ナースサポートセンター
pp.76-82
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101405
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はじめに
看護師争奪戦のスタートとなった2006(平成18)年の診療報酬改定により,日本全国で看護師の需要と供給のバランスが崩れた。7対1入院基本料を獲得するために大量に看護師を採用したものの,教育が追いつかず本来の目的である質の向上には至らない病院,一方で,看護師の採用増を図っても応募者が集まらず慢性的な人員不足に陥っている病院。どちらにしても,病院にとって大切な人材の喪失になりかねない状況である。
このような事態が長引くと,看護師そのものをやめてしまう人が出てくる状況も発生するのではないかと危惧する。負のサイクルから抜け出すことができる病院は,ピンチをチャンスに変える「底力のある組織」といえる。
学校法人聖マリアンナ医科大学(以下,法人)は,1204床,518床,376床,138床の4病院,計2000床を超える病床をもっている。これまではそれぞれの病院の管理者が現場の業務を行ないながら,人材確保に出かけて行く状況にあった。
しかし,2008(平成20)年4月からは,4つの病院の看護力を最大化するため,4病院をつなぐ新たな組織「ナースサポートセンター(以下,NSC)」を立ち上げ,看護師確保と定着促進を目的とする活動を開始した。本稿ではその設置の意図と事業内容,新卒者採用のための活動について紹介する。
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