特別記事
病床管理一元化による病床有効活用の取り組み
小室 万左子
1
1株式会社日立製作所水戸総合病院
pp.1092-1097
発行日 2008年12月10日
Published Date 2008/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101373
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はじめに
看護管理者は病院経営における病床の効率的な活用と同時に,業務の調整や改善により看護ケアの質を保証し,患者の安全を守る役割をもつ。こうした適時最善の方法をアセスメントできる管理能力が求められていると言える。
水戸総合病院(以下,当院)は,株式会社日立製作所の企業立病院であり,人口15万人のひたちなか市において唯一の総合病院である。病棟数6,病床数215床を有し,地域の中核病院として二次救急医療を担っている。1病棟あたりの病床数は25床から38床,平均在院日数は11日である。
2003(平成15)年までは診療科別に病棟が定められていたため,病棟の診療科別固定化が起こっていた。入院病棟は医師が決定し,受け入れ可否の判断は病棟師長に任されていた。そういったこともあり,なかでも内科・外科患者の入院病棟が満床になることが多く,地域の開業医からの紹介患者や救急来院患者を受け入れられないという状況が発生していた。これは病棟における病床管理の権限がそれぞれの病棟師長にあったため,院内の全病棟の状況を把握できる者がおらず,院内の空床が有効に活用されないことに原因があった。
そこで2004(平成16)年から,限られた病床を効果的に活用し,紹介患者をお断りすることなく,入院治療を必要とする患者に適切な病床を提供することを目的に,病床管理部門を設置し,総看護師長室(総看護師長,副総看護師長)による病床の一元管理を開始した。
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