特集 在院日数の短縮と退院計画
病床の有効利用と在院日数の管理
大道 久
1
Hisashi OHMICHI
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.556-560
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900679
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はじめに
改めて述べるまでもなく,病床は最も基本的な医療資源であり,その有効な利用が強く求められる時代となりつつある.既に医療計画の実施によって,地域における病床数は一定の範囲に制限を受けており,長期入院の是正という言われ方での今後の方向づけが明確に示されるに至っている.
このような状況にもかかわらず,これまでの展開においては,必ずしもそれが在院日数の短縮化に直接的な影響を及ぼしているわけではないように見える.ただし,特3類基準看護の要件として,病棟単位で平均在院日数20日の規定が設けられて,その取得のために診療科の組み合わせや病床運用上のノウハウ等のやや実務的な議論が行われ,その一定の普及が認められることは1つの成果であろう.しかし,患者の症状を抜きにしてより手厚い看護体制を導入した矛盾は拭い切れず,むしろ,実質的な施設間の看護格差の助長を促したのではないかと心配される.
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