特集 医療安全管理者の働き方とその支援
医療安全管理者の資質を見極める―ポジティブアプローチの視点から
長谷川 剛
1
1自治医科大学医療安全対策部
pp.1084-1089
発行日 2008年12月10日
Published Date 2008/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101371
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医療安全管理者のA子は,さっそうと院内のラウンドに出かける。病棟で気づいたルール違反を厳しく指摘し,清掃などが行き届いていない所では師長を叱責する。病院の職員はA子が来ると警戒の目になる。別の日には,A子はインシデントレポートが提出された現場に視察に行く。現場のスタッフは恐縮している。
事例検討会を行なっても発言は乏しく,みんな反省の言葉ばかりである。ムードは沈滞している。インシデントレポートも一時はたくさん提出されていたが,いつの間にか催促しないと提出されなくなってきた。レポートを出すと事例検討会をやらなくちゃならない。残業で帰るのが遅くなる。検討会もとても重い雰囲気だ。「対策」と称してやたらにチェック項目だけが増える。その繰り返しでスタッフは意欲を失っていく。
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