特集 地域医療を守る「10対1」病院は何をめざすか
地域の急性期医療を担い続けるための看護師確保策
丹野 宏美
1
1新葛飾病院看護部
pp.840-843
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101305
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はじめに
新葛飾病院(以下,当院)は,9年前に療養型の病院から循環器系を中心とした急性期型の病院へと大きな変革を行なった。私は診療体系が変わって4年目に看護部長として同法人グループ内の病院から転勤してきた。当時,現場では医療業績は年々上昇傾向にあったが,病院の急激な変化に看護職者は疲弊しきっており,離職者が増え続けていた。
そのような状況のなか,2006(平成18)年度には診療報酬・介護報酬の同時改定があり,診療報酬に7対1入院基本料が導入されて看護職の獲得合戦が始まり,当院にとって脅威となった。しかしその間も地域においては循環器系を中心とした急性期病院としての役割が定着してきており,今後もその役割を果たし続けていくためには,看護職の確保と人材育成が必然であった。そこで当院では,「看護師確保」の観点から,病院組織が一丸となってこれまでの職場環境の見直し,改善に取り組み,一定の成果が見られたので,ここにその内容を中心に紹介する。
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