連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・36
日の出の清々しさとカゲロウのいのちと―『おじいちゃんと日の出を見たよ』『さいこうのいちにち』
柳田 邦男
pp.596-597
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101252
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私は昼間は外出が多いので,毎夜,午前5時か6時まで仕事をしている。午前5時以前に寝るなどというのは週に1回あるかないかだ。日の出の時刻が遅い冬はべつとして,3月頃になると,世の中が明るくなり,新聞配達のバイクの音やクルマの音が響きだしてから寝るということになる。
私の家(といっても借家)はスウェーデン・ハウスというコテージ風の2階建てで,屋根が急斜面になっている。そして,2階の書斎の天井の斜面にやや大きめの天窓が2つ並んで開けてある。雲の愛好家である私にとっては,願ってもない窓だ。昼間は,ふと顔を上げると,流れゆく積雲が見えたり,羊雲の広がりが見えたりする。時には,真赤な夕焼け雲に驚くこともある。目を休め,心を穏やかにするうえで,天窓があるのは絶好の条件だ。
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