病気のある風景・6
地方勤務医の一日(いちにち)
徳永 進
pp.386-391
発行日 1980年6月25日
Published Date 1980/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907454
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朝
急性心筋梗寒で心不全,脚ブロックを生じ,Peelの予後指数が極めて悪い患者が,入院後6時間で再発作を起こし急死したあくる朝,ぼくは出勤の時間が近づいているのに,昨日の疲れを少し残して,布団の中でまだ起き上がれないでいた.幼稚園へ行く2人の娘が近所の子供に誘われて出かけたあと,隣に住む84歳の津田のおばあさんの訪問をうけて,ぼくはあわてて布団を飛び出し,パジャマの上に半天をひっかけ,玄関に飛び出て座る.ぼくの1日が始まる.
‘先生,便秘なんです.4日もでなくて,苦しくて苦しくて’
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