特別記事
働きながら学ぶ1年間のホスピス(緩和)ケア認定看護師教育課程の開設と評価―3年間の修了者のアンケート結果から
武内 かほり
1
1神奈川県看護協会研修課認定教育班
pp.562-566
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101242
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はじめに
厚生労働省は,2006(平成18)年に「がん対策基本法」を制定し,“がん患者の療養生活の質の向上”を最優先課題としている。このような状況の下,さまざまな場面でホスピス,緩和ケアの提供ができるエキスパートナースの育成が強く求められている。こうした社会の要求に先駆け,2002(平成14)年度診療報酬改定において,緩和ケアチームによる診察と,これに準じた緩和ケアについて,緩和ケア基本診療料が加算となった。さらに,在宅での看取りを進める体制づくり,在宅ホスピスケアの拡充も重要視されてきている。しかし,認定看護師の研修を希望する訪問看護ステーションに勤務する看護師などにとって,長期の研修に参加することは現実的には困難である。また,病院施設においても,長期の休職は難しく,研修を受けるために退職せざるを得ない場合さえある。
これらの状況をふまえ,働きながら受講できるよう,神奈川県看護協会(以下,当協会)は,2004(平成16)年4月に,認定看護師教育としては初めての仕事を続けながら受講できる1年間のホスピスケア認定看護師教育課程*を開設した。
3年が経過した2007(平成19)年,受講者の研修修了直後のアンケート結果からカリキュラムの評価を行なった。1年間の教育課程は初めての試みであり,このような認定看護師教育の評価はこれまでにないため,認定看護師教育のひとつのあり方として報告する。
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