特集 その実践に学ぶ「ヘルパーの質の確保」
特集2
在宅総合ケア体制を築いた経験から
ヘルパーステーション開設から5年間が過ぎて
小関 純一
1
1医療法人社団小関内科医院
pp.258-261
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902140
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在宅ケア体制ができるまで
開業して2,3年経ってから,通院困難な高齢者を対象に診療の合間をみて往診を始めたのが在宅に関わるきっかけだった.いわゆる施設からの往診と訪問看護である.診療の合間に行なう数少ない往診の経験からも,在宅の現状を目の当たりにするにつれて,生活の質を念頭に置いた医療の必要性を痛感した.同時に,「家まで来てくれるのですか」と驚かれる人が大半で,地域の人たちは在宅医療を知らなかったり,「ないもの」として期待していない現実を知らされた.
私とともに当時の婦長(現在,総合在宅ケアセンター所長)は,病院内の看護だけでなく在宅を含めた看護を提供したいという考えが強く,診療所からの訪問看護を提供していた.平成4年に老人訪問看護制度ができた段階でステーション化の移行準備にあたり,平成5年10月,北海道東部地域初の「はなびより訪問看護ステーション」を診療所に隣接して開設した.この時点からの活動が現在の総合的な在宅サービスを作りあげる基盤となっている.
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