BOOK REVIEW
―安全な業務手順の構築にはFMEAが有効―『シリーズ医療安全確保の考え方と手法2 FMEAの基礎知識と活用事例〔演習問題付き〕』
平野 佳穂
1
1東芝林間病院 リスクアセスメントプロジェクトチーム(RAT)
pp.1108
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101103
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■医療安全とFMEA実践
医療安全確保の考え方と手法シリーズのRCA(根本原因分析)に続く第2弾,FMEA(失敗モード影響分析)の技法について解説された本が出版された。FMEAは製造業において,不良品を削減するために開発された手法であり,その後多くの安全分野にも使われるようになった。
しかし,医療現場はモノと従業員の接点だけでなく,患者が関わる。患者はいつも同じではなく,日々変化する。その変化に対応した業務の安全に,FMEAを取り入れるのは非常に難しい。難しいが,業務手順を安全かつ適正化する(ムダを省く)にはこの手法は大いに役に立つ。本書の編者が院長を務める練馬総合病院でもFMEAの結果を踏まえ,IT化したことが記載されているが,これからIT化を検討している病院にはぜひ参考にしてほしい。
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