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医療ミスの開示に対する患者および医師の見解
鈴木 琴江
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科博士課程・看護管理学分野
pp.1008-1009
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100955
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近年の国を挙げての最善の努力にもかかわらず,この先も医療ミス 訳注1) はなくならないであろう。この医療ミスへの対処で重要な点に,患者に説明すべきか否か,説明するとしたら,どのようにすべきかという問題がある。医療ミスの開示は,患者が望み,また倫理学者や専門職組織が奨励しているが,どのように開示がなされるべきか,患者や医師たちの考えはまとまっていない。
1991年の調査では,76%の医師たちが「重篤な医療ミスを患者に知らせなかった」と報告している。医療ミスを開示しない理由として,「医療訴訟や評判が傷つくことへの恐れ」「開示自体が気まずく不快なため」などが挙げられた。しかし,開示しなければ,患者からの信頼と満足を失い,医療訴訟の増加にがりかねない。
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