現場から 調査・研究
情報開示に対する患者の意識調査
伊藤 雅恵
1
,
柏崎 優子
1
,
武田 奈央
1
,
岩倉 真希子
1
,
割柏 早苗
1
,
白崎 恵子
1
,
秋本 信子
1
1JA北海道厚生連旭川厚生病院6階東病棟
pp.292-297
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903930
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●はじめに
昨今,社会的にインフォームド・コンセントおよびカルテ開示についてさまざまな話題が取りあげられており,「開示は時代の流れとしてもう避けて通れない」1)とする意見もある.世界的な流れとしても,「教育が普及し,医学を含む知識が豊富となり,消費者運動が盛んになってくるにつれ,市民の権利意識は高揚してきた.1947年の“ニュルンベルク綱領”,1964年の第18回世界医師会“ヘルシンキ宣言”に続いて,1972年の“患者の権利章典に関するアメリカ病院協会宣言”は,患者の権利を“思いやりのあるかつ丁重なケアを受ける権利”」2)としている.
患者にとって,十分なインフォームド・コンセントを得られ,自己決定権を行使し主体的に治療を選択できることは理想的なことのように思われるが,現状において患者の情報開示に関するニーズはいかなるものなのだろうか.情報開示はいうまでもなく患者のためのものであり,患者のニーズや意識のありようの把握があってこそ患者のQOLの向上を目指すことができると考える.
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