特集 人材マネジメントとして産休・育休を考える
管理者として看護師の継続就業をどう支援するか―産休・育休者を送り出す苦悩と再び職場に迎える喜び
野中 みぎわ
1
,
畠中 智代
1
1社会福祉法人聖隷福祉事業団聖隷浜松病院
pp.766-769
発行日 2003年10月10日
Published Date 2003/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100909
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はじめに
筆者(畠中)が当院に赴任してきたのは1980年,病院開設18年目であった。管理者も職員も今よりずっと若く,看護師の在勤年数は3年に満たず,平均年齢は27歳,病棟や手術室にいる看護師はほとんど未婚であった。それから20余年後の今,ベッド数は500床から744床に,看護師数は285名から648名に,平均在勤年数7年,平均年齢30歳,既婚率38%となった。隔世の感を禁じえない。
看護の質は,看護師としての経験年数やさまざまな社会経験が反映する。その意味でキャリアの積み重ねは重要であり,一定の在勤年数の確保が必要である。現在,各部署への新人看護師の配置率は概ね10~11%であるが,これを7%にしたいと直感的に思っている。数年前までは,結婚退職者が多かった当院であるが,最近の経済不況は看護師の継続就業を後押ししている。しかし,やはりそれだけではなく,管理的にもさまざまな支援体制をとってきた結果の定着率向上であるとも思っている。
本稿では,最も産休者が多い外来の苦悩と,復帰を支援する看護部管理室の取り組みを報告する。
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