研究報告
看護師のメンタルヘルスと仕事に関するソーシャル・サポートとの関連
川口 貞親
1,2
,
豊増 功次
2
,
吉田 典子
2
,
鵜川 晃
1
,
鈴木 学美
1
,
植本 雅治
1
,
笠松 隆洋
1
,
宮田 さおり
3
,
近森 栄子
4
1神戸市看護大学
2久留米大学健康・スポーツ科学センター
3神戸大学大学院総合人間科学研究科
4大阪市立大学看護短期大学部
pp.713-717
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100899
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看護師のメンタルヘルスと仕事に関するソーシャル・サポートとの関連を検討した。仕事上ストレスを認知しやすい「職場での人間関係」「仕事での疲労」「仕事の内容や量」について実際にストレスを感じる場合,「誰にも相談しない(我慢する)」と回答した者のメンタルヘルスが極めて不健康であった。また,自分のストレスに関して相談できる相手をもつことは良好なメンタルヘルスを維持するのに有効であることが示された。なかでも,職場での人間関係について,上司に相談する者はメンタルヘルスがより健康的であった。スタッフには他者に相談できるというソーシャルスキルをもつ必要性とともに,管理職者には,ソーシャル・サポートとして相談しやすい機会をつくるなどの配慮が必要であると考えられた。
本研究により,看護師のメンタルヘルスケアの在り方を論じる際には,ソーシャル・サポートが有効な要素となりうることが改めて確認された。
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