特別記事
大学病院に求められる医療ソーシャルワーク―高知医科大学医学部附属病院MSWの2年間の取り組みから
小嶋 有理
1
1高知医科大学医学部附属病院業務部医療協力室
pp.708-712
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100898
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はじめに
高知医科大学医学部附属病院は高知県内で唯一の医育機関であり,1981(昭和56)年の開院時より県民の期待に応えるべく日々努力を重ねているところである。
この間,高齢化の進展・医療技術の進歩・国民の意識の変化・経済基調の変化などの医療を取り巻く環境は大きく変貌し,医療制度改革の方向性も,地域医療連携の強化,在宅支援機能の強化が打ち出されるようになった。当院としても,地域の医療・福祉機関と密接な連携をとりながら医療を進めることがより重要となってきている。
このような状況下で,21世紀の国立大学病院としての医療のあり方を求めて,当院では,患者および家族が抱える退院・転院・社会復帰の問題,また経済的な問題等に対応すべく医療ソーシャルワークを導入した。
筆者は当院の医療ソーシャルワーカー(MSW)として勤務したこの2年間を振り返り,その業務・相談内容を分析し,当院に求められる医療ソーシャルワークとは何かを考えてみたい。
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