焦点 ソーシャル・サポート・2
解説
各領域におけるソーシャル・サポート研究の現状
小児看護とソーシャル・サポート・ネットワーク
片田 範子
1
1聖路加看護大学
pp.268-273
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200925
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子どもは,その生活をほとんどすべてといってよいほど大人に依存している状態から,次第に自立の程度を増し,相互依存が可能な自立した社会人になるまで,さまざまな人たちとかかわりながら育っていく。小児看護の領域では,母子関係,アッタチメント,重要他者,小児を取り巻く環境,小児の社会的発達,小児と集団生活,友達,ギャングエイジなどの概念が,成長発達を理解していく上で必要不可欠な基本概念として,繰り返し説明されている。また,看護のみならず,子どもに関する学問領域では,研究の焦点としてこれらの概念が取り上げられている。
このように,子どもと人的環境とのかかわりの大切さは繰り返し強調されているにもかかわらず,ソーシャル・サポートの概念が,小児の研究の焦点の1つとして取り上げられているものは数が少ない。日本で出版されている看護系の雑誌には,小児とソーシャル・サポートのかかわりを示すような文献は見当たらなかった。また,米国の看護系の雑誌においても,その数は後述するように少ない。そして,それらも小児への直接的なソーシャル・サポートをテーマにしたものはなく,間接的に親のもつソーシャル・サポート・ネットワークに焦点を当てている。
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