特集 横浜市立大学病院患者取り違え手術事件から何を学ぶか
本事件判決を読んで―現場の看護師として
(2)臨床現場における看護技術手順の意義を見直す
星 恵理子
1,2
1看護判例研究会
2杏林大学医学部付属病院医療安全管理室
pp.705-707
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100897
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
1999年に横浜市立大学医学部附属病院(以下,横浜市大病院)で起きた患者取り違え事故は,看護職全体に大きな問いを投げかけてくれた。そして,この事故後,医療の中でのリスクマネジメントの必要性,重要性が大きく叫ばれ,医療事故への取り組みが活発に行なわれるようになった。
筆者は,今年の3月までの約10年間,救命救急センターや泌尿器科など外科系病棟で勤務してきた。定期的な手術はもちろん緊急手術の病棟から手術部へ出棟の準備から手術部への引き継ぎと,出棟業務を数多く経験した。この患者取り違え事故は自分の身にも起こりえたと,業務内容を振り返って実感している。
出棟業務を経験してきた病棟看護師の立場と,わずか3か月だが専任のリスクマネジャーとしての経験から,出棟業務のあり方について,これまでの業務内容を振り返る。さらに,今判決から今後の自らの取り組みについて考えるところを述べたい。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.