特集 基本から見直そう! 感染予防6つのポイント
「手洗い」を見直す(2)
落合 ゆかり
1
1日本赤十字社和歌山医療センター
pp.429-431
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100713
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1996年に,CDC(Center for Disease Control and Prevention;米国疾病予防管理センター)とHICPAC(Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee;病院感染対策諮問委員会)によって,「Guideline for Isolation Precautions in Hospitals;院内隔離予防策のためのガイドライン」が出された.これは,標準予防策と感染経路別予防策を含んだ概念である.標準予防策(Standard Precautions)とは,「すべての患者の血液,体液などの湿性生体物質は,感染の可能性があるものとして取り扱いをする」ことで,患者すべてに適用される疾患非特異的感染対策である.これを遵守することが,病院感染対策の基礎とされる.
病院感染経路の多くは,一部の細菌・ウィルスを除くと接触感染である.中でも,医療従事者や医療器具を介した伝播が多い.このため,「手洗い」は重要な感染予防策であり,交差感染から患者を守り,病原微生物から医療従事者を守る目的をもった「病院感染対策に不可欠」な対策であるといえる.
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