焦点 患者相談窓口の役割と機能を考える
総合相談専任看護師としての10年間の実践報告
山内 はるみ
1
1聖隷浜松病院
pp.458-461
発行日 2003年6月10日
Published Date 2003/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100849
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はじめに
厚生労働省は,2003年4月より特定機能病院および臨床研修病院に「患者相談窓口」の設置を義務づけた。当院では,すでに10年前から,患者サービスの一環として,患者および家族が自由に利用できる相談窓口「総合相談コーナー」を外来の一角に設置し,積極的に取り組んできた。
「総合相談コーナー」開設前,院内にはいくつかの専門職がそれぞれ担当する相談窓口が設けられ,患者は,例えば,薬のことは薬剤師のいる薬局,社会資源や社会的手続きについてはソーシャルワーカーのいる医療相談室,栄養や食事のことは栄養士がいる栄養相談室を利用していた。それに加えて,「総合相談コーナー」と称して,相談窓口を置くことになったのだが,「役割と機能を明確にし展望をもって」というよりも,利用する側の視点で「何でも困ったことは相談にのる」というよろず相談の場としてスタートした。
開設から10年経過した現在では,当院における「総合相談コーナー」の役割と機能は明確化され,臓器移植コーディネーターおよびAIDSコーディネーターの役割も担って活動している。筆者のこの10年間の経験のなかから,相談内容やそこへの対応から見出してきたことを紹介し,今病院に求められている患者相談窓口のあり方について考えるときの参考にしていただけたらと思う。
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