特集 がん患者のシームレスな療養支援体制づくりに向けて
がん患者に対する相談支援機能の質の向上―聖隷浜松病院,17年間の取り組みから
山内 はるみ
1
1聖隷浜松病院
pp.485-487
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101757
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はじめに
聖隷浜松病院では1992(平成4)年に総合相談の名称で,患者および家族が自由に利用できる相談窓口を外来の一角に設置し,役割と機能を明確にし,展望をもってというよりも,利用する側の視点で「何でも困ったことは相談にのる」というよろず相談の場としてスタートし17年が経過した。この間の相談内容の変遷を踏まえた現在の相談スタンスは,「利用者が主体的に相談する行為を通して,困難をも自分の力にして乗り越え,自分らしく生きていくことを支援する」。この姿勢で患者・家族,職員の仕事上および個人的な悩みの相談にのっている。
筆者は総合相談開設から現在まで,緩和ケア専任看護師の役割を担った3年間を除き,総合相談専任看護師として活動している。2010(平成22)年からは,総合相談専任看護師を1名から2名体制とし,より充実した相談に向けて新体制でスタートした。併せてがん相談支援センター業務も担っている。新体制でスタートしてわずかな日数であるが,相談件数は100件/月でその半数ががん相談と2倍以上に急増し,相談内容にも変化がみられた。当院でのがん患者に対する相談支援の実際から,今後の課題とあり方を明らかにする。
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