焦点 看護管理者の実践を理論で振り返る
失敗体験から学ぶ交渉術
笹山 美代子
1
1兵庫県立こども病院
pp.309-310
発行日 2003年4月10日
Published Date 2003/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100819
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- 文献概要
かつて私は,「交渉」という言葉を聞くと反射的に「組合交渉」という言葉が浮かぶだけでした。ところが昨今では,いろいろな看護管理研修の中で「交渉術」という言葉を目にするようになりました。
今回このような機会が与えられたので,戦略と交渉に関連する文献を少し読んでみました。そして改めて,交渉とは日常生活の中にしっかり根づいているものだということ,そしてそれは対立しているように見えるお互いの利益になる条件を探す,その努力のプロセスだということがわかりました。管理者になってもう長いのに,今さら「わかりました」もないものですけれど,自分の経験と理論を照らし合わせて,心底「わかった!」と思いました。「ゼロ・サム交渉」ではなく,「プラス・サム交渉」になるように努力していくことが,私たち看護管理者に求められているのだなということも痛感しましたし,昔ながらに言われている「負けるが勝ち」とか,「根回し」「先手必勝」というのも交渉戦略の1つだということも,十分に理解できました。
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