実践報告
患者さまへ還元できる研究成果を導くために―看護研究委員会の活動から
京本 昌子
1
,
道下 ケイ子
1,2
,
杉山 直子
1,2
1社会保険広島市民病院看護部
2看護研究委員会
pp.128-133
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100786
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
当院では看護研究に取り組んで久しい。しかし,長い間にわたり,「看護研究はすべきだ」という義務感だけで取り組んできたため,「看護を研究的な視点で考える」という姿勢が根付いていないのは否めない。「看護研究は必要だ」と思うが,自主的に取り組む者は少なく,できれば自分はその負担を背負いたくないというのが本音のようである。たしかに,看護実践をしながら研究に取り組むのは容易ではない。とはいえ,臨床の看護現場では患者さまの問題解決に向け,「この看護で良かったのか」「なぜめざす看護ができなかったのか」など,客観的に検証する必要がある。良かったと評価された看護を継続し,より質の高いケアを提供するためには再度研究的な取り組みも必要となる。
試行錯誤の中,当院では,看護研究委員会の指導の下に臨床の現場で看護ケアの向上や患者さまに研究成果を活かせる方向性が見えてきたので,ここに紹介したい。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.