特別記事
考えて行動できる看護助手の育成をめざして―ヘルパー2級講習の実施と資格取得の効果
杉山 登志子
1
1掛川市立総合病院
pp.124-127
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100785
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はじめに
当院は,1959(昭和34)年開設,1984(昭和59)年に現在の場所へ移転して18年が経過した。現在は450床の急性期病院である。当院の位置する静岡県掛川市は,人口8万2000人を擁する。急性期病院といえど,入院患者の58.9%を65歳以上が占めていることから,治療より介護の度合いが高くなっており,看護業務も煩雑化している。そのような状況から,看護助手の活躍なくして,質のよい看護を提供するのは難しくなっている。
1998(平成10)年に,当院の看護助手は40名を越える大きな集団となった。このため,8部署中6部署は4人配置とし,残る2部署は3人配置で,早番・遅番の変則勤務を開始した。当院には勤務年数15年以上の助手が20数名もいることから,各自は仕事に慣れていた。その一方で,個人の力量によって仕事に差が出るなど,全体的なまとまりには欠けていた。
そこで,看護部では「看護助手を単なるメッセンジャーではない存在にする」「身につけた看護技術を現場で活かす方法を考える」「自信と責任を持って働く集団にする」ためにどうしたらよいかを考え,筆者は教育担当として,ホームヘルパー2級講習を実施した。
ここでは,その経緯と成果について紹介したい。
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