新連載 看護師の業務と役割の模索―厚生科研「諸外国における看護師の新たな業務と役割」から・1
研究の概略と連載の見どころ
山本 あい子
1
1兵庫県立看護大学
pp.49-51
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100770
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“療養上の世話又は診療の補助”再考
日本における看護師の業務は,保健師助産師看護師法第5条により,「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助」と定められている。しかし,この「療養上の世話又は診療の補助」という業務内容の記述は,20回に及ぶ改正を経てもなお,昭和23年に制定された当時と変わらず,時代の変化の中で現状とは合わないものとなっている。
現在,医療ケアやそれを取り巻く環境の中で生じている変化には,医療の高度化や複雑化,あるいは国民の医療に対するニーズの多様化,さらには在宅療養など医療ケアが提供される場の拡大などが挙げられる。このような変化に対応するためには,「療養上の世話又は診療の補助」といった従来の看護業務のあり方では,対象者のニーズに合った質のよい看護ケアを提供することができなくなっている。また,医療ケアが提供されている実際の場において,看護職は法文の記述の範囲を越えた業務内容を行なっているのも事実である。
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