特別記事
看護の国際支援の可能性を看護管理の視点で考える―アフガニスタンへの医療援助を通して(その1)
小林 志保子
1
,
細谷 幸子
2
1東京大学医学部附属病院
2東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究室専攻博士課程
pp.744-749
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100746
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ソ連侵攻,内戦,アメリカの攻撃と激動の四半世紀を経て,現在,復興が進むアフガニスタン。アフガニスタンは,世界で最も保健状況の劣悪な国のひとつであり,妊産婦死亡率1700/10万出生,乳児死亡率170/1000,栄養不良状態の子どもの割合は40%前後と推測されている。日本は,2001年からアフガニスタン復興支援の一環として,保健医療分野での支援も行なってきており,医療機器供与,専門家派遣などを含めた保健医療分野におけるODA投入総額は,2002年で約4410万ドル(約53億円)となっている。
第三世界に対する保健医療支援活動では,充実した保健医療体制の確立のために,医療従事者の養成をはじめとする人材育成への援助が必須である。特に現在のアフガニスタンにおいては,長期にわたった戦争による医療施設の破壊や,海外からの情報統制によって,医療従事者の質が低下し,保健水準の向上を阻む大きな要因となっている。
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