特集 ケーススタディ 看護管理者が問題解決能力を発揮するとき
千葉県立病院における抑制廃止ガイドラインの作成と現場での適用のプロセス―千葉県循環器病センターにおける展開―[1]現場のガイドライン推進者である副看護部長としての取り組み
亀田 日出子
1,2
1千葉県こども病院看護局
2前千葉県循環器病センター看護局
pp.382-385
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100726
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県立病院課からのアンケート調査をきっかけに
県立病院課から看護管理者を対象とした抑制に関するアンケートの調査依頼があった。その調査内容の1つ1つには,筆者たち看護管理者が認識していなかった抑制への考え方が盛り込まれていた。一方,クリティカルケアを行なう県循環器病センター(以下,当センター)の看護師のなかには,生命の安全を守るために,「抑制は仕方がない」という雰囲気があった。そこで,病院内の「看護の質検討会」の顧問でもある筆者は,看護の質が問われる抑制に関する事例を同検討会のメンバーと話し合うことにした。
その結果,スタッフからは,「患者を抑制せずに急性期治療はできない」「どうしても抑制せざるを得ない状況の場合,誰が,いつ決定し,責任は誰にあるのか明確でない」,逆に「抑制をしたのに点滴やバルンを抜かれることもある」などの意見が出され,カテーテル類抜去の防止を目的とした抑制が本当に患者の安全に効果的であったのか,看護スタッフの都合で安易に抑制していないかなど看護局内で活発にやりとりされるようになった。
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