特集 医療安全研修で何を学ぶか 現場でどう活かすか 研修をより実効あるものにするために
医療安全研修のフレームワークのあり方と課題
安井 はるみ
1
1社団法人神奈川県看護協会医療安全対策課
pp.1008-1012
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100709
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医療安全研修の現状
神奈川県看護協会(以下,当協会)では,2003(平成15)年より「医療安全推進担当者養成研修」を実施してきた。2006(平成18)年度は,診療報酬改定に伴い,「専従の医療安全管理者」の要件である,40時間以上5日間程度の研修を踏まえ,これまでの医療安全推進者養成研修受講修了者を対象に3日間の追加研修を実施した。また従来の「医療安全推進担当者養成研修」の実施期間は5日間に拡充している(表1)。
「医療安全推進担当者」と「医療安全管理者」の違いは,平成15年度厚生労働科学研究「医療機関におけるリスクマネジャーの機能に関する研究」(主任研究者:井部俊子)で提言され,2002(平成14)年の厚生労働省「医療安全推進総合対策」でその役割・機能の違いが明確化された。いわゆる医療安全対策を担当する者の教育が展開されるなか,2004(平成16)年より医師の臨床研修医制度の施行に伴い,医師臨床研修指導医ガイドラインのなかで「安全管理」枠組みが示された(表2)1)。これにより,各施設や職能団体などでは,これまで実施してきた医療安全教育の枠組みを整理しやすくなったのではないかと思われる。
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