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まっただ中にゴリラ:実世界における非注意による見落とし
松谷 千枝
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科修士課程・看護管理学分野
pp.610-611
発行日 2004年7月10日
Published Date 2004/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100522
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- 文献概要
視界にある事物やその変化に気づかない,そんな経験はないだろうか。私たちは,目に映るすべてを知覚しているように感じているが,実際に知覚できる範囲は驚くほど限られている。近年「非注意による見落とし」や「変化の見落とし」訳注1)など,私たちがどのくらい詳細に見ているのか,また注意がどのような役割を果たしているのかに焦点を合わせた視覚的注意に関する研究が行なわれている。これらの研究に先立つ1970~80年代にNeisserらによって行なわれた一連の研究がある。彼らの実験的な研究方法は示唆に富む結果を残し,近年の視覚的注意の研究に明らかに関連しているにもかかわらず,その後,用いられなくなってしまった。今回,これらの研究方法を再生すべく,Neisserらの研究訳注2)を踏襲した新たな実験を行なった。
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