特集 看護提供者を支えるためにすべきこと
臨床看護スーパービジョン導入の試み―自信と他者からの承認を看護の質向上につなげる―臨床看護グループスーパービジョンの効果―個人インタビューの分析から
岩崎 朗子
1
,
池田 紀子
1
1長野県看護大学
pp.468-472
発行日 2004年6月10日
Published Date 2004/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100489
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臨床看護グループスーパービジョンの効果 個人インタビューの分析から
看護の質向上に不可欠な「人の理解」
継続教育のうち,経験を積んだベテラン看護師に対しては,専門看護技術の普及,自己教育力やリーダーシップ能力を向上させるためのプログラムが主である。一方,人の理解や看護の見直し,看護観に関することなどは,基本的な事柄として卒後3年以内に行なわれる場合が多い。しかし,これらはキャリアを積んだ看護師に対しても必要な内容である。
臨床現場でどのように人を理解するかは,対人援助を行なうための技術の一部として,一定の水準を保つことが期待され,これは看護を通してどのように人と共にあろうとするか,スタッフへ教育的あるいは管理的にどのような関わりを行なうかにも影響する。また,人をどのように理解するかは,自分自身をどう理解するかということと深く関係しており,他者および自己への理解は,看護の質向上に欠くことのできない重要な要素である。つまり,看護の質を向上させ,看護師の看護技術のartと表現される側面を充実させるには,自分自身を含めた「人の理解」と,経験の中で培ってきた看護を見直すことが効果的であると考える。
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