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スーパービジョン(supervision)という用語が,理学療法士界に用いられはじめたのは,1992年,故 早川 進先生の著書『スーパーヴィジョン』が出版されて以来ではないかと思われる.なお,臨床心理やソーシャルワークの領域などでは,従来よりスーパービジョンという用語が使用され,その概念が確立されている.
スーパービジョン(supervision)とは,super(上位の,超越した,などの意)という接頭語とvision(先見性,洞察力,見通す力,想像力,展望などの意)との合成語である.すなわちsupervisionは,「上位からの見解,卓越した見かた」という訳意で用いられるが,一般的には時間的要素および次元的要素が加わって,「監督,監視,管理,指導,指揮」という意で用いられている.また教育用語としては,「教育評価指導」という意でも用いられているが,私たちが用いる語訳としては「指導・管理」という意が望ましいと考える.また,supervi-sionという意を英英辞書で引くと,the act of supervis-ing someone or something(誰かをあるいは何かをsuperviseする行為)とある.そのsuperviseとは,「職業人または学生などの組織・グループにあって,その処理方法・遂行過程などを担当し,彼らが何をなすべきかを確実に責任を持って管理すること」(to be in charge of a process, organization, or group of workers or students etc. and be responsible for making sure that everyone does what they are supposed to do)と解釈される.
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