BOOK REVIEW
『刷新してほしい患者移動の技術―患者・看護師・医療者を身体損傷や医療事故から守るために』
佐藤 嘉代子
1
1東京大学医学部附属病院
pp.69
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100428
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看護師は,患者の身体を扱う専門家として,身体を拭き,身体を動かす手助けをし,動作の介助をするたびに,持ち上げたり,抱えたり,位置を変えたり,横にしたり,とさまざまな動作を毎日,何人もの患者に対して行ない,それを何年も続ける。だから腰痛症は職業柄仕方のないこと,と半ば諦めていた。適切な技術を習得すること,対象を介助できる筋力や体力を保持すること,それが仕事を続ける必須条件と考えてきた。患者の安全を守るのもしかり。
が,本書はそんな認識の甘さに一撃を与えてくれた。
なぜ「患者移動の技術」を刷新しなければならないのか。それは,従来の移動技術が,患者にとっても介助者にとっても危険を伴うものであるからだ。日本人が西洋人ほど重量級ではないとしても。
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