特集 看護必要度を看護管理に活用する―手厚い看護をより効果的に提供するために
看護必要度の評価者育成―研修のすすめ方とビデオ制作の具体的方法
田中 彰子
1
1北里大学東病院
pp.711-718
発行日 2006年9月10日
Published Date 2006/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100353
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はじめに
2006(平成18)年の診療報酬改定は,看護管理上重要な意味をもつものと考える。入院基本料において「患者数対看護師数」の概念は変わらないが,その“患者数”の意味と“看護師数”の意味において,これまでとは異なる仕組みが導入された。すなわち,従来の夜間勤務等看護加算の考え方を入院基本料全般に拡大し,病床数ではなく「直近1年間の平均患者数」に,働く看護師の条件として「夜間勤務72時間以下」としたことである。そして病院全体評価とし傾斜配置を認めるが,「各勤務帯に配置する看護職員の数については,各病棟における入院患者の『重症度・看護必要度に係る評価』を行い,実情に合わせた適正な配置数が確保されるように管理すること」(厚労省通知・保医発0306002号)とされたことである。
ここに,「重症度・看護必要度」の評価ツールが,診療報酬上の施設基準の中に明確に打ち出された。これまでは,看護師の人頭数と資格(正看護師と准看護師比率),入院患者の病床数と在院日数で決められていた入院基本料であったが,患者の視点を取り入れ,患者情報によるデータに基づいた配置が義務付けられたものである。
本稿では,看護必要度の指標開発と指導者育成に関わってきた立場から,臨床現場の評価者への教育について述べる。
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