金丸弘美のシネマライフ
プルーフ・オブ・マイ・ライフ
金丸 弘美
1,2
1ライターズ・ネットワーク
2ニッポン東京スローフード協会
pp.1041
発行日 2005年12月10日
Published Date 2005/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100287
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- 文献概要
天才数学者を巡る緻密なドラマ
心理の駆け引き,感情,そこから生まれるサスペンス。主な登場人物は,たった4人。それなのに彼・彼女らが導き出す緻密なセリフのドラマは,さまざまに感情を刺激させ,激しく心を揺さぶり,大きな感動を誘い出す。天才数学者を巡る特殊な話でありながら,同時に親子,姉妹,恋愛,仕事関係と,人が誰しも抱える普遍的な,人と人との付き合いのうえでの渇藤や悩み,恋愛感情などが,ドラマに見事に織り込まれているのだ。
若く美しい女性で将来が嘱望されている数学者キャサリン(グウィネス・パルトロウ)は,父であり天才数学者のロバート(アンソニー・ホプキンス)と同居していた。それは精神障害で世間から離れて暮らすようになった父を介護するためであった。その父が亡くなると,葬式のために戻ってきた姉クレア(ホープ・デイビス)がてきぱきと段取りをし,キャサリンが父と住んでいた家の売却まで進めてしまう。
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