特集 対がん総合戦略の発展
がん治療とクォリティ・オブ・ライフ
武田 文和
1,2
Fumikazu TAKEDA
1,2
1埼玉県立がんセンター病院
2がん疼痛とクォリティ・オブ・ライフに関するWHO指定研究協力センター
pp.538-542
発行日 1991年8月15日
Published Date 1991/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900396
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■はじめに
Quality of life(QOL)という和訳しにくい言葉は,社会学の領域で日常生活を本人がどう感じているかを表すとき使われてきた言葉である.生きていることの意味,あるいは価値観には個別性があるたあ,QOLは第三者の考え方により評価されるのではない.病人となったときのQOLも本人の主観に基づいてとらえるもので,QOLの良否の基準を医療側で一律に決めるべきではない.しかし,それぞれの患者に共通している事項も多いので,がん患者のQOLの向上を目的に医療が実施できることは少なくない.
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