連載 CURIOSITY SQUARE & CIRCLE・20
プロ教育は「意図的に,計画的に」[三國清三さん]
横井 郁子
1
1首都大学東京健康福祉学部
pp.615-617
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100210
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JR四ツ谷駅は学生や会社員でにぎわっている。気持ちは大学の仕事モードのままでレストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」へ。しかし,そのうち人が消え,騒音が消え,やがて緑が増えて避暑地の一軒家のような「オテル・ドゥ・ミクニ」が登場した。ふと,クラシック音楽好きの友人の話を思い出した。「日本にも素晴らしい演奏家が来日するようになった。しかし,その演奏の感動の余韻に浸れる環境がない。ヨーロッパとは雲泥の差だ」。演奏会場を後にしながら家路に向かう過程が,日本と違うというのである。四ツ谷駅から店までの行程で,完全に「三國シェフに会う」モードに切り替えられている自分に気づく。軽いジャブをもらった感じだ。
食通ではない私が知っていた三國清三さんは,「フランス料理のすごい人」ということである。ここまでは遠い存在。そこに「食育」が加わりぐっと身近になり,会いたい人となった。技術を極めた職人。店主。ミクニグループという大組織の経営者。そして小学生に「食」を教える教育者。看護職も「職人」,そして管理にも教育にも関わるというところで,何かヒントをいただけるのではないかとお話をうかがった。
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