学生の研究
指導者の立場から—意図的看護を目ざして
田中 由紀子
1
1福井県立高等看護学院
pp.389
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917227
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この学生のこれまでの実習経過を述べると,看護過程のプロセスを実際の患者との出会いによって展開していくという看護総論レベルの実習として1年生の3月に2週問実習を経た後,2年生としての各論実習における初めて成人看護実習の体験レポートである.看護過程の展開は,薄井担子氏の‘看護教育への提言’を当学院においても取り組み,教育実践して第2回目のクラス生である.そのことからしだいに意図的看護ということが少しずつ,学生・教師ともども実感として理解できるようになった段階である。
この際,この学生の実習体験についての具体的評価は読者におまかせすることにしたいと思う。ただ,このレポートの中心となるものは何かということをつけ加えれば,対象(T君)の様々な反応(生物体であると同時に生活体であるという統一体としての)を看護婦(学生)として,どのように認識し判断していくことができれば,T君の個別的ニードにそくした看護につながっていくことになるのかを考えていくプロセスにおいて,学生自身の悪戦苦闘の姿をぜひとらえていただきたいと思う。
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