特別記事
医療におけるCSR経営
山田 康夫
1
1国際医療福祉大学
pp.570-576
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100200
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CSR経営とその意義
「医療機関の社会的責任は大きいか」と問われたとき,「小さい」と答える医療人はいないであろう。それどころか,「特に大きな責任がある」と答えない医療機関の経営者・管理職者もいないであろう。ただ,何かの機会に改めてその問題を考え,議論したことがあっても,日常の経営や管理のなかに,システム(仕組み)として,その責任を果たす考え方を組み込み,自身も含めて職員に意識させる機会を設けているといえるであろうか。企業では,CSR経営として,そのような取り組みをすでに始めている。
CSRとは,Corporate Social Responsibilityの略で,「企業の社会的責任」のことである。「法律遵守にとどまらず,企業自ら,市民,地域及び社会を利するような形で,経済,環境,社会問題において,バランスのとれたアプローチを行なうことにより事業を成功させること」という経済産業省産業技術環境局の定義が比較的一般的であろうが,これに具体的なステークホルダー(利害関係者)との信頼関係の構築や,企業と社会の持続的な発展の追求などの考え方を盛り込むことも多い。
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