連載 CURIOSITY SQUARE & CIRCLE・19
「ものづくり」から学ぶ「人づくり」[小関智弘さん]
上田 規子
1
1神奈川県立がんセンター
pp.523-525
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100192
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“元職人”作家の感性とは
作家の小関智弘さんを知ったのは,著書『職人学』を読む機会に恵まれてからである。私はもともと,看護師と同じく「技術」を身につけ働いている,ものづくりをする人々に関心があり,その現状に触れてみたいという思いで一気に読み上げた。本の中では聞き手である小関さんからは,出会う人や扱うものに対しての飽くなき関心と愛情,そして豊かな感性があ溢れていた。
小関さんに,その「感性」の源について尋ねると,高校卒業後,従業員3人だけの工場で旋盤工の見習いを始めたとき,組合活動や文学愛好家の仲間と同人誌を発行し,そのなかで自分の体験を中心とした町工場の生活や思いを書き始め,そのために自分の身近な人を複眼的にみていたことが,感性を育てる原点となっていたのではないかと言う。
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