コーヒーブレイク
久し振りのニューヨーク
寺田 秀夫
1,2
1聖路加国際病院内科
2昭和大学内科
pp.1059
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904184
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アトランタを午前10時30分に離れて約2時間,一面の白い雲海を抜けて,機はラ・ガディア空港の上空に達すると,美しいクライスラービル,エンパイア・ステートビルなど懐しい巨大な高層ビルの林立するマンハッタン(Manhattan)が機内から一望された.約10年振りに降りた空港は暑い日射しに輝き,予約しておいた市に乗り,快適な車内の冷房にホッとしながら,車はクイーンズボローブリッジを渡り,マンハッタンの上部のLexington Ave.にある古風なバルビゾンホテルに着いた.
車窓から見たニューヨークの街の第一印象は各所に建築工事が行われていること,アメリカの好景気を反映するものであろうか.ホテルの窓から見える高層ビルを眺めながら,さて今日から数日間この青空を鋭く切りとって林立する摩天楼の街New York, 世界の一流のものがここに集まり,大きなビジネスが動くこの街に滞在すると思うと,気持の高ぶりを抑えることができなかった.さて翌日はあいにく烈しい雨に降られながら,街一杯に走っているタクシー(yellow cab)を拾って,今度の旅の最大の目的であるSt.Stephens教会で行われた現代音楽作曲家の受賞式に参加するため,スーツとネクタイに着替えて,静かな街並にある赤レンガの瀟酒な教会に着いた.決して盛大とは言えないが,静かな落ち着いた雰囲気のなかで数曲の受賞曲が演奏された.演奏会が終わると急に教会内は利やかなムードに変わり,私どもも数年前来日した数人の知人・友人と旧交を暖めることができた.
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