連載 事例と判例で考える病院の看護水準と事故防止・6
窒息による事故
山下 小百合
1
1東京海上日動メディカルサービス株式会社メディカルリスクマネジメント室
pp.502-507
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100189
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はじめに
窒息は食事の誤嚥や異物誤飲に関連して発生することが多い。医療機関や高齢者施設の看護現場においても,小児,高齢者,精神疾患患者などでは,窒息により,死亡もしくは重度の後遺障害に至り,紛争化するケースもある。
窒息とは,息が詰まること,呼吸ができなくなること,二酸化炭素と酸素との交換ができなくなることをいい,このような状態に陥った場合,気道確保が最優先であることは,医療従事者であれば新人であっても認識しているはずである。
実際の窒息による事故は,最終的には医療機関や施設側の責任が問われることが多いようであるが,いつ起こるか予測がつかないケースもあれば,予測がついたにもかかわらず,その対策が十分に機能しなかったケースもある。今回は,誤嚥や窒息に関する事例から,看護師に求められる看護水準を考察する。
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