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地域連携室の成り立ちとその業務
筆者の所属している千葉市立青葉病院(以下,当院)地域連携室は,「病院運営の基盤となる情報システムの管理とその情報の活用」をコンセプトに,病院長が院内組織として位置づけた医療情報センター(以下,MIC)の中の1つの部署である。当院は前市立病院の建物を離れ,2003(平成15)年5月に道を挟んだ向かいにリニューアルオープンした病院であるが,市民から長い間親しまれてきた歴史も併せもっている病院である。千葉市の病院再整備計画は1992(平成4)年から始まったが,当院ができあがるまで,第3次(1998年4月施行),第4次医療法改正(2001年3月施行)を経て医療の流れは大きく変わってきた。医療改革の動向としては,医療機関の機能分化,急性期医療の効率化・重点化,一般病床の機能分化などにより質の向上を図り,在宅にシフトしていく方向にある。そのような流れのなかで,当院は急性期医療を選択し,基本方針には高齢者医療とともに二次救急受け入れや血液疾患などの高度専門医療を挙げている。
このように患者の病態や病期別に病院機能が分化した今,医療は一つの病院で完結することはできない。そこで近年注目されているのが,地域連携あるいは地域医療連携である。これらは,病院を中心に考えると前方連携,院内連携,後方連携に分けられる1)。効率的に連携を進めていくためには,紹介を受ける前方連携の情報と,逆紹介や自宅への退院支援を行なう後方連携の情報を統合していく必要があるが,現在両連携の機能を統合する部署をもつ病院はまだ少ないようである。当院では,先にも述べたように情報の管理と活用のためのMIC設置と同時に,前方・後方両連携の機能をもつ地域連携室がつくられた。
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