特集 看護管理者に必要な地域連携スキル
“都市・地域を支え,支持される施設”となるために
高齢者ケアを継続するための公立急性期病院と介護老人保健施設との連携
山口 優子
1
1横須賀市立市民病院地域医療連携室
pp.458-464
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100178
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はじめに
横須賀市立市民病院(以下,当院)は,横須賀市(人口43万,高齢化率20.1%)西南にあり,三浦市,葉山町,逗子市に近接した位置にある。同市内には他に13病院あり,500床以上の病院は当院を含めて2病院,他11病院中3病院に療養病床がある。三浦市に2病院(それぞれ一般136床・精神科298床),逗子市に2病院(それぞれ一般36床,一般18および療養79の計97床)と,葉山町に循環器科専門病院(60床)がある。一方,市内には介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)16施設,介護老人保健施設(老健)8施設が集中し,市随一の福祉ゾーンといわれている。入院患者の約58%は65歳以上の高齢者である。
こうした医療福祉環境および患者特性において,他病院,介護保険施設と連携して,地域の中核病院として急性期医療・高度医療の機能を担うために,地域医療連携室が設置された。以来,必要に応じて活動を行なってきたが,老健からは,他地域に比べて連携がよくできていると評価されている。
また,情報交換会の施設からの出席率は高く,さらに開催日程の問い合わせもきており,共同で決めたルールもほぼ守られている。地域連携がうまくいっているか否かの明確な判断基準はないが,実効の伴う情報交換がなされ,取り上げた問題は解決されたという点で,比較的うまく連携できていると評価している。そこで今回,地域医療連携室としての活動について,その必要性とともに紹介する。なお,当院の概要を表1に示す。
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