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はじめに
1年があっという間に終わり,4月にはまた新人看護師を迎え,2005年度の看護活動が始まろうとしている。目標や行動計画の具体化に当たっては,課題山積で優先順位すら付けがたい状況がある。そんな課題の一つに「保健・医療・福祉のネットワーク」や「地域医療連携」「退院調整」を挙げる施設もあるだろう。
これは一体どういう流れのなかで取り組まなければならなくなったのだろうか。そこで,予想される2006(平成18)年度の医療法第5次改正(予定)や,診療報酬,介護報酬同時改定を前に,これまでの大きな制度の流れを追ってみる。
・1948年 医療法制定
・1985年 第1次医療法改正<地域医療計画・医療圏設定>
・1992年 第2次医療法改正<特定機能病院・療養型病床群の制度化>
・1997年 第3次医療法改正<地域医療支援病院制度>
・2002年 第4次医療法改正<「その他病床」の区分け>
この10数年は医療法改正だけではなく,介護保険制度の登場や健康保険法と連携し合うように診療報酬の改定がなされ,政策誘導による現場刺激で目まぐるしい対応が求められてきた。このような厳しい時代であるにもかかわらず,健気にチャレンジできた楽しい時代でもあった。財政ひっ迫による社会保障全体の抜本改正は,いよいよ総仕上げでヘルスケアシステムの創造と市場原理の風雪を避けて通れない時代に差しかかるのではないだろうか。地域医療支援病院は,医療改革の脱皮作業のなかでうまれてきた一里塚なのだろうか。あるいは,さらに重要なシステムとして存在価値を問われるものなのだろうか。おそらく後者であろう。いずれにしても看護職は,健康を守る砦の人として,その時その時を精一杯生き抜くだろう。
医療法人近森会も1946年に近森外科としてスタートし,1949年に病院開設,1958年から救急告示病院として365日24時間の診療体制を続け,2004年2月に地域医療支援病院として承認された。ここにたどりつくまでに努力したこと,現在の課題,そしてこれからどういう役割と連携が必要とされているのかなどについて考えてみたい。
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