焦点 慢性性(Chronicity)と生活史に焦点を当てた看護学的研究—これからの慢性疾患研究に求められる視点
医療人類学からみた慢性疾患と人間
佐藤 知久
1
1京都大学総合人間学部
pp.337-344
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900685
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
本稿の役割は,医療人類学的立場から「慢性疾患と人間」,「病いを持って生きる」ことについての見解を紹介することにある。以下では,①医療人類学の目的と近年の動向を紹介し,社会・文化的なことがらと慢性疾患の関係について簡単に触れたあと,②慢性疾患についての医療人類学研究を,「意味を中心とする」と呼ばれるアプローチを軸に紹介する。そこでキーとなる概念は,「説明モデル」,「意味論ネットワーク」,「語り」である。最後に,「慢性疾患とともに生きる」ということが人間にとって持つ意味について,人類学的視点から考察する。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.