焦点 看護研究と倫理
看護教育研究において生ずる研究対象者へのリスクとその配慮
宮島 朝子
1
1兵庫県立看護大学
pp.145-152
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900605
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はじめに
時代の流れのなかで看護教育の場が大学,大学院へと拡大するに伴い,看護研究に対する取り組みも盛んになっている。このことは,平成10年度から文部省科学研究費の看護学の分野に“基礎・地域看護学”と“臨床看護学”の2つの細目が新設されたことや,昨今の学術集会における演題数の増加からも推し量ることができる。学会員に多くの教師を擁する「日本看護学教育学会」を例にとると,第1回の一般演題数はわずか12題であったのに対し,大学が増え始めた1996年には一挙に100題を超え,第10回の今年は157題と第1回の13倍に上っている(表1)。
教職に携わる者にとって,研究は教育と同様,教師として果たさなければならない責任の一つである。しかし,研究への取り組みが盛んになる一方で,研究に伴う倫理の重要さが叫ばれている。看護学領域の研究を担う多くの教師にとっても,このことは重要な課題である。
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