焦点 続・看護学における先端科学の推進
カオス理論(Chaos Theory)と看護研究
川原 由佳里
1
,
守田 美奈子
1
,
吾妻 知美
1
1日本赤十字看護大学
pp.97-106
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900546
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はじめに
看護は,看護をする人と看護を受ける人とが感性,思考,行為などを通じてまるごと関わり合うことにより健康をもたらそうとする営みである。ここでは看護をする人も看護を受ける人も,身体的・精神的・社会的・霊的側面の統合された全体的存在として複雑な生命現象を呈し,かつ自らの生活を通じて多種多様な環境条件と密接に相互作用しながら複雑に変化を遂げている。
このような特徴から考えると,看護学の対象とする現象は複雑と呼ばれるシステムの中でもとりわけ,多種多様な要因が強く相互作用している複雑なシステムと考えることができる。複雑な看護現象を探究するのにふさわしい科学の方法はどんなものがあるのだろうか。
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